「あっ……んっ、っ……!」
腰を突き上げ、自らそれを揺らして熱を貪る。もっと、もっと欲しいと淫猥な声を上げれば、うん。と優し気な声が後ろから返ってきて。
「はっ、ぁっ……ゆう、まぁっ……」
ベクターと遊馬がこちらの世界に移り住んで早数年。時々ナッシュの訪問はあるものの、二人は特に困り事もなく今の生活を謳歌していた。
初訪問時にはギスギスしていたナッシュとベクターも今ではほんの少しだけ距離が縮み、遊馬はそれが嬉しくて二人の前では笑顔を零し。
「ベクター……この体位、すきだよね?」
「ぁっ! んっ……すき、かもな……っ」
「僕は……ベクターの顔が見たい、んだけど……」
数年の間で変化した事、と言えば二人が身体を重ねる回数が大幅に上がった、という事だろうか。特に名前のついた関係になった訳ではないが、自然とそういう雰囲気になり、そして性欲のままにお互いを求めあう。
ベクターとしてはこんな関係をいつまでも続けている訳にはいかない、という考えはあったものの、カオスには敵わないという事、そして何よりも遊馬という存在が欲に飲まれていく姿を見るのが愉しくて止める機会をすっかり失っていた。
「顔なんざ……いつだって見てる、だろっ……」
「そうじゃなくて……僕とこういう事してる時の、顔」
かわいいよね、と言われ馬鹿じゃねーの。と返す。九十九遊馬の残滓とだけあってか、成長するにつれて「あの」遊馬の面影が見えてきて、ベクターは複雑な気持ちになる。
――もういねぇのにな。
九十九遊馬はいない。それは明らかな事実だ。あのナッシュが認めているのだから。
そう思うと、顔をぐしゃりと歪めそうになる。この数年でベクターが気付き、思い知ってしまった事の一つは「九十九遊馬が好きだった」という事だった。
自分の中にそういう気持ちがあった、という事実と、それに気付くまでにこんなにも時間がかかってしまった事、そしてもしかすると目の前にいる九十九遊馬が残した何か、にも同じ感情を抱いてしまっているのではないか、という疑惑が己の中に渦巻いている事、それが最近ベクターの悩みの種である。
この遊馬に情けはかけるな。そうずっと言い聞かせていたのに、最近は情けどころか自分を曝け出しそうになっていて。
「やっぱり顔……見たい」
「おまっ、まっ……! ッン……!」
うつ伏せになっているベクターの腰を掴んでくるんと回し、仰向けにさせる。
涙で目を潤わせ、いつもは見せない情けない表情をしているベクターを見るのがいつの間にか好きになっていた。
かわいいな、と本当に思う。一体いつからだろう。この人がこんなにもかわいいと思う様になったのは。
「ねえ、僕もうベクターが好きな所もちゃんと覚えたんだよ」
そう言うと、遊馬はベクターの脚を担ぎあげて自分の肩に乗せると、そのままゆっくりと体重をかけ始める。
「ひっ……あ、あぁあっ! んっ……」
「奥の方がすきなんだよね」
そう言いながら容赦なく腰を押し進める。ぐぐ……とベクターの胎内に遊馬の熱が押し込まれていく。
普段よりも奥まで挿入ってくるそれを無意識に締め付けながらベクターは己の腰を揺らしてしまう。
「僕もね、ベクターが気持ちよさそうにしてるの……見るの好きなんだ」
愛おしそうにこちらを見つめる遊馬にベクターは揺らいでしまう。そんな顔で見るな、見ないでくれ……。
「ベクター……さ、前よりもかわいくなった?」
「はぁ……?」
突然言われた言葉にベクターは目を丸くする。可愛くなった? このオレが?
「こういう事しているとかわいくなる、って本当なんだね」
「おいそんな事どこで」
雑誌で読んだんだ、と言われベクターは遊馬に与える物を間違えたか……と天井に視線を移す。
この行為をする度に視界に映す部屋の天井。若干染みっぽいものが見えるがきっと湿気か何かだろう。
遊馬にかわいくなった、と言われ少しだけ嬉しいと思ってしまった自分に気付いて盛大に溜息を吐きたくなる。遊馬の姿をしていれば中身が違くてもいいのか。
それとも、本当に目の前にいる遊馬の残滓に気持ちが寄ってしまっているのだろうか。
「んっっ! ぁあっ……!」
そんな事を考えていると、最奥をずんっ、と突き上げられてベクターはいつもよりも高い声を出してしまった。
「……僕以外の事、考えてたでしょ……?」
わかるよ、と遊馬はベクターの首筋にちゅう、とキスマークをつけながら腰を更に押し付ける。
既に奥まで入り込んでいた遊馬の熱はそこよりも奥を突き上げてきて、ベクターの口からは喘ぎ声と吐息だけが溢れていく。
「お願い、ベクター……僕の事も、見て……」
「っ、は……ゆう、ま……」
お願い、と請われベクターは遊馬を見つめる。切なげな、切羽詰まった表情にドキリと胸が高鳴る。
自分がこの表情をさせているのだ。この男は自分に夢中なのだ。
――嗚呼……!
背筋が快楽とは違う快感にゾクリと震える。この感覚に名前をつけるなら「独占欲」というものだろう。
「お前も……なんて面、してんだ……」
「だって……!」
遊馬が最後まで言い切る前にベクターはナカをぎゅっ、と締め付ける。
その瞬間、その快感に準備をしていなかった遊馬はそのまま絶頂を迎えてしまって。
「ッハ、まだまだおこちゃまだな……!」
「今のは、ベクター、が……!」
いけないのに、と言いながらぺたりとベクターの上に倒れこんでしまう。
そんな遊馬の背に両手をまわして、ぎゅっと抱きしめる。
嗚呼本当に。
――どうしようも、ねぇな……。
腰を突き上げ、自らそれを揺らして熱を貪る。もっと、もっと欲しいと淫猥な声を上げれば、うん。と優し気な声が後ろから返ってきて。
「はっ、ぁっ……ゆう、まぁっ……」
ベクターと遊馬がこちらの世界に移り住んで早数年。時々ナッシュの訪問はあるものの、二人は特に困り事もなく今の生活を謳歌していた。
初訪問時にはギスギスしていたナッシュとベクターも今ではほんの少しだけ距離が縮み、遊馬はそれが嬉しくて二人の前では笑顔を零し。
「ベクター……この体位、すきだよね?」
「ぁっ! んっ……すき、かもな……っ」
「僕は……ベクターの顔が見たい、んだけど……」
数年の間で変化した事、と言えば二人が身体を重ねる回数が大幅に上がった、という事だろうか。特に名前のついた関係になった訳ではないが、自然とそういう雰囲気になり、そして性欲のままにお互いを求めあう。
ベクターとしてはこんな関係をいつまでも続けている訳にはいかない、という考えはあったものの、カオスには敵わないという事、そして何よりも遊馬という存在が欲に飲まれていく姿を見るのが愉しくて止める機会をすっかり失っていた。
「顔なんざ……いつだって見てる、だろっ……」
「そうじゃなくて……僕とこういう事してる時の、顔」
かわいいよね、と言われ馬鹿じゃねーの。と返す。九十九遊馬の残滓とだけあってか、成長するにつれて「あの」遊馬の面影が見えてきて、ベクターは複雑な気持ちになる。
――もういねぇのにな。
九十九遊馬はいない。それは明らかな事実だ。あのナッシュが認めているのだから。
そう思うと、顔をぐしゃりと歪めそうになる。この数年でベクターが気付き、思い知ってしまった事の一つは「九十九遊馬が好きだった」という事だった。
自分の中にそういう気持ちがあった、という事実と、それに気付くまでにこんなにも時間がかかってしまった事、そしてもしかすると目の前にいる九十九遊馬が残した何か、にも同じ感情を抱いてしまっているのではないか、という疑惑が己の中に渦巻いている事、それが最近ベクターの悩みの種である。
この遊馬に情けはかけるな。そうずっと言い聞かせていたのに、最近は情けどころか自分を曝け出しそうになっていて。
「やっぱり顔……見たい」
「おまっ、まっ……! ッン……!」
うつ伏せになっているベクターの腰を掴んでくるんと回し、仰向けにさせる。
涙で目を潤わせ、いつもは見せない情けない表情をしているベクターを見るのがいつの間にか好きになっていた。
かわいいな、と本当に思う。一体いつからだろう。この人がこんなにもかわいいと思う様になったのは。
「ねえ、僕もうベクターが好きな所もちゃんと覚えたんだよ」
そう言うと、遊馬はベクターの脚を担ぎあげて自分の肩に乗せると、そのままゆっくりと体重をかけ始める。
「ひっ……あ、あぁあっ! んっ……」
「奥の方がすきなんだよね」
そう言いながら容赦なく腰を押し進める。ぐぐ……とベクターの胎内に遊馬の熱が押し込まれていく。
普段よりも奥まで挿入ってくるそれを無意識に締め付けながらベクターは己の腰を揺らしてしまう。
「僕もね、ベクターが気持ちよさそうにしてるの……見るの好きなんだ」
愛おしそうにこちらを見つめる遊馬にベクターは揺らいでしまう。そんな顔で見るな、見ないでくれ……。
「ベクター……さ、前よりもかわいくなった?」
「はぁ……?」
突然言われた言葉にベクターは目を丸くする。可愛くなった? このオレが?
「こういう事しているとかわいくなる、って本当なんだね」
「おいそんな事どこで」
雑誌で読んだんだ、と言われベクターは遊馬に与える物を間違えたか……と天井に視線を移す。
この行為をする度に視界に映す部屋の天井。若干染みっぽいものが見えるがきっと湿気か何かだろう。
遊馬にかわいくなった、と言われ少しだけ嬉しいと思ってしまった自分に気付いて盛大に溜息を吐きたくなる。遊馬の姿をしていれば中身が違くてもいいのか。
それとも、本当に目の前にいる遊馬の残滓に気持ちが寄ってしまっているのだろうか。
「んっっ! ぁあっ……!」
そんな事を考えていると、最奥をずんっ、と突き上げられてベクターはいつもよりも高い声を出してしまった。
「……僕以外の事、考えてたでしょ……?」
わかるよ、と遊馬はベクターの首筋にちゅう、とキスマークをつけながら腰を更に押し付ける。
既に奥まで入り込んでいた遊馬の熱はそこよりも奥を突き上げてきて、ベクターの口からは喘ぎ声と吐息だけが溢れていく。
「お願い、ベクター……僕の事も、見て……」
「っ、は……ゆう、ま……」
お願い、と請われベクターは遊馬を見つめる。切なげな、切羽詰まった表情にドキリと胸が高鳴る。
自分がこの表情をさせているのだ。この男は自分に夢中なのだ。
――嗚呼……!
背筋が快楽とは違う快感にゾクリと震える。この感覚に名前をつけるなら「独占欲」というものだろう。
「お前も……なんて面、してんだ……」
「だって……!」
遊馬が最後まで言い切る前にベクターはナカをぎゅっ、と締め付ける。
その瞬間、その快感に準備をしていなかった遊馬はそのまま絶頂を迎えてしまって。
「ッハ、まだまだおこちゃまだな……!」
「今のは、ベクター、が……!」
いけないのに、と言いながらぺたりとベクターの上に倒れこんでしまう。
そんな遊馬の背に両手をまわして、ぎゅっと抱きしめる。
嗚呼本当に。
――どうしようも、ねぇな……。